第28回:血のバレンタイン

第28回:血のバレンタイン

若者が殺されまくるその大元の原因が
パーティに行きたいおっさんなのが悲しいバレンタイン

血のバレンタイン (原題:MY BLOODY VALENTINE)
1981年カナダ 91分
監督:ジョージ・ミハルカ

2/14のポストということでバレンタインにちなんだ映画を。

 

オープニングではいきなり鉱山服で炭鉱にいる男女の女性が鉱山服を脱ぎだしセクシーシーン。

ガスマスクフェチにはたまらないかもしれないけど女性はガスマスクを脱いでしまう。
よくわからないけどB級映画にありがちな無駄なお色気シーンかなと思ったら
この女性がいきなり殺され悲鳴からのタイトルバック。やはりよくわからない……。

 

この炭鉱町では若者が20年ぶりにバレンタインパーティで盛り上がるようだけど
町長宛のバレンタインのハートの箱に入った心臓が発見される。

実は20年前、同じようにバレンタインパーティに早く行きたいと炭鉱内のガスチェックを怠り
5人を生き埋めにしてしまった事故が起きていた。
その5人のうち1人は生き残るものの他の被害者の肉を食べ発狂し精神病院送りに。
脱走して事故の原因となった2人を殺害し心臓をえぐりだし、
パーティ会場にハートの箱に入れて置いたのだ。
まず最初のよくわからないところが、当時の犯人「ワーデン」の所在を精神病院に確認するところ。
え?当時も脱走してきたんじゃないの?なんで今の消息を精神病院に?ま、いいか……。

 

そして人が次々と殺されていきパーティは中止だとなるにも関わらず
若者たちはせっかく盛り上がろうとしてたパーティなんかやめるわけにはいかないよってことで強行。
この辺は13日の金曜日同様「騒ぐ若者が死ぬ」B級ホラー定番のステージってな感じですね。
当然そんなテンプレですから1人また1人と殺され、
なんならイチャイチャしようとこっそり消えたカップルも殺される。
こういう実に基本に忠実なつくりは素晴らしいですね。
ここで好きなシーンは

殺されたあと心臓が茹でられているのを発見されるのと


実は首が冷蔵庫に置いてあるのに一旦スルーされ観客だけにはわかるようにしている
こんなベタな演出です。

 

何人かが炭鉱に遊びに行ったあと死体発見報告が次々となされ、
恋敵だった2人が1回手を取り炭鉱に向かいます。
そしてやはり炭鉱内でも次々殺され、もはや全員殺されるのかとなったときに
犯人のガスマスクを本当にしれっと剥がして犯人の顔がわかります。

ここ、本当にしれっとすぎて拍子抜けします。
そしてわかった犯人の顔が例の恋敵。
え?今まで一緒に騒いでたじゃん?どの隙に炭鉱服に着替えて殺してたの?え?
そして実は20年前に原因を作ったと殺された人の息子だったと。
しかもその後町長がそれを言うんだけどそんな伏線どこにもなかったよ?え?
気になってもう1回見直してみてもやっぱり隙も伏線もないんです。え?どういうこと?

 

そしてやや発狂した感じで犯人が炭鉱の奥に去ってそのままED。
しかもEDが哀愁メロの歌詞付きの曲、The Ballad of Harry Wardenです。
いや、いい曲なんですけど「え?」っていう気持ちとこの曲のメロだけ強烈に残ります。

 

後にリメイクもされますが気になった方はまずはベースのこっちを見ることをオススメしたいですね。
脚本の矛盾というかつたなさはさておき、細かいシーンは割に好きな部類です。定番に忠実だし。
個人的に一番好きなシーンは殺されて乾燥機から発見されるメイベルおばさんのこれです。

 

 

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