第12回:悪魔の毒々モンスター東京へ行く

第12回:悪魔の毒々モンスター東京へ行く

邦題に悪魔の毒々と名付けた担当者は
後々トロマ映画の代名詞になるとまで思わなかっただろう

悪魔の毒々モンスター東京へ行く (原題:THE TOXIC AVENGER PART II)
1989年アメリカ 103分
監督:マイケル・ハーツ
   ロイド・カウフマン
出演:ロン・ファジオ
   桂木麻也子
   安岡力也
   関根勤

 
あえて2作目を最初に紹介したのは、やはり舞台が東京だからですよね。
というわけでB級映画だけを意図的に制作しているトロマの代表作、悪魔の毒々モンスター
その2作目をご紹介します。

 
内容は父を探しに日本まで来た毒々モンスターが、日本でも前作同様の
勧善懲悪スラップスティックコメディを残酷描写ありで行っていくという
大したストーリーもない作品です。
見どころは昭和最後の日本が映っているということ。この点につきます。

今はこれが新宿駅だとは思うまい。40年近く前の日本ですよ。

 
無駄に多いセクシーシーンもトロマ節ですね。
なので日本編の本作ではセクシー女優が大勢出てきます。
ヒロイン役の桂木麻也子は当時も一般映画にも出演されているくらいなので
こういう安易に脱げる女優として抜擢されたんだと思います。
抜擢と言えば随所に出てくる関根勤は、自身がトロマ映画ファンだと公言しており
その縁でキャスティングされたとか。
日本人キャストはときに日本語、ときに英語(ただし音声はネイティブの吹き替えになってる)で
リップモーションを観る限り本人も英語のセリフは英語で喋ってるようですが
発音の問題でこれはそのままではアメリカでは通用しないと吹き替えになったんでしょうかね。
個人的には日本人キャストは全日本語で英語字幕だったらと思いますがアメリカ映画です。
さすがにストーリーに必要なセリフは英語でなくてはいけなかったんだろうと。

 
他にも日本人が観るならではの見どころはいっぱいあります。
今は亡き安岡力也がタトゥーを晒しながら力士スタイルで戦って

最後は輪切りになってしまうところや

随所に出てくる関根勤と佃煮評論家に扮した永井豪の共演とか

そういう意味でもこの作品を見る価値はあると思います。

 
最後に鼻をたい焼きにするトロマ映画だなあという名シーンでお別れしましょう。

 

 

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